「見る」とはどういうことか

「見る」とはどういうことか―脳と心の関係をさぐる (DOJIN選書 7)

「見る」とはどういうことか―脳と心の関係をさぐる (DOJIN選書 7)


医学書というか普通の読み物。神経生理学を知らない人も、序盤は楽しく読めると思う。錯視などを通して、人は眼で見ているのではなく脳で見ていると言うことを示すことで、脳は常にフィルターをかけているという事実を簡潔にまとめている。ちょこちょこと必要最低限の専門的な知識も盛り込まれているが、序盤においてはそれも含めて面白く読めることと思う。後半部分やニューロンの話になると、一般人にはちょと厳しいか。ブロードマンの脳地図なんかが口絵にあればもう少し読み進めやすいように思う*1。V1とかV2とか言われてもイメージしにくいと思う*2


注意機能について勉強を進めていく過程で下條信輔の「サブリミナルマインド」や「意識とは何だろうか」を読む機会があり、そのころから「見る」ことの本質、「こころ」との関係などなど興味を持つことになり、先日の「知覚と認知の世界」という講義で完全にこころを惹かれた。帰り際に寄った東京駅OAZOの丸善で別の本の内容を見に行った所、たまたまこの本を発見。購入。2日ほどで読了。


なんとなく「こころ」に残ったのは、地球上にありとあらゆる物質が存在するけど、色を見たり、臭いをかいだり、味を感じたり、音を聴いたり、それぞれ全て脳が処理をして初めて感覚として知覚されるんだなと。んで、絵画をみたり音楽を聴いたり美味しい料理を食べたりして感動できるのは、結局のところ脳のおかげなんだなぁと。
あまり夢のない話なのかもしれないけど*3


なんにしても脳の研究はきっと尽きることはない。誰だったか忘れたけど、「私が脳を理解するくらい複雑な頭脳を持っていれば、それ故に私は脳のことを理解できないだろう」なんてことを言った人がいたな。

*1:[http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%96%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%89%E3%83%9E%E3%83%B3%E3%81%AE%E8%84%B3%E5%9C%B0%E5%9B%B3:title]

*2:イメージしやすさがどれだけ必要かは人によると思うが、少なくとも素人も対象にした本である以上、興味を持ちやすいようにしておくべきだったかなと

*3:これは心身一元論的な考えですか?