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イメージの科学

イメージの科学―リハビリテーションへの応用に向けて

イメージの科学―リハビリテーションへの応用に向けて

運動イメージや、視覚イメージ、体性感覚イメージなど、いわゆる「イメージ」を中心に、比較的新しい知見をもとにレビューしてる感じ。「自己」とは何か、何が「自己」を感じさせているのか、などここ最近のトピックが網羅されてる。
前知識が無い状態だと、やや難解な本かもしれないけど、読み込んでいくとそんなに難しい本ではない。ただ、事前の知識として森岡周の、「リハビリテーションのための脳・神経科学入門」とか「リハビリテーションのための認知神経科学入門」とか「身体運動学」とか読んでおくといいかも。
個人的には、序章にかかれていた「概念が重要」みたいなところに、自分自身の安心感を持てた。僕自身が、6年間脳外単科の病院で働いて思ったことだったから。人間は刺激等価性という、ヒトだけに与えられた能力によって、複雑な社会性を持つことができた。角回や縁上回、前頭葉などのネットワークのなかで、感覚や運動は等価性を持つ。そのネットワーク上の問題点を見出せば、高次脳機能障害の真の治療法が見つかるんじゃないかと。今までは、対症療法に過ぎた。
そして、運動も行為に昇華すれば、それは高次脳機能の一つだと言える。僕らは目の前の運動を変えるだけじゃなく、社会における行為を創発できるようにしなきゃいけないんだと思うんだよね。そこへ向かうためには、概念の存在が最も重要じゃないかと。言語はあくまで一つのツールだと思ってるから、いわる認知運動療法からはちょっと距離をとってたんだけど、認知運動療法も変わってきてるのかな?
無からは何も生まれない。ヒトは過去を見ながら、後ろ向きに未来へ進んでいく。時間軸のなかに、私という自己を繋ぎとめていなければ、未来志向は生まれない。意図が生まれず、創発もない。
「間」と「概念」の相互作用、「こころの共有」から理学療法を展開していきたい。